ビタミンB12が不足すると「貧血」を起こすリスクがある

公開日: 更新日:

 前回は鉄欠乏性貧血についてお話ししました。今回はそれとは別の貧血「巨赤芽球性貧血」を取り上げます。

 高齢者の中には胃がんなどで胃全摘手術を受け、胃がないという方がいらっしゃるかもしれません。巨赤芽球性貧血は、特にそういった胃全摘後に起こる可能性がある貧血です。この貧血に関わるものがビタミンB12です。ビタミンB12は赤血球の成熟に必要なビタミンで、欠乏すると成熟障害が起こり貧血になってしまいます。

 ビタミンB12は食物中に多く含まれているため、極端な偏食などがなければ一般的に巨赤芽球性貧血は起こりません。ところが、胃全摘後ではビタミンB12欠乏から巨赤芽球性貧血になることがあるのです。

 ビタミンB12の吸収には胃が重要な役割を担っています。食物に含まれるビタミンB12はタンパク質とひっついていて、胃から分泌される胃酸の効果でタンパク質が分解されることでビタミンB12単独になります。これを遊離型のビタミンB12といいます。遊離型ビタミンB12は、これも胃から分泌される内因子とひっつくことで、小腸(回腸)から吸収されます。胃全摘により胃がなくなると、胃酸、内因子もなくなってしまうため、ビタミンB12が吸収されなくなってしまい、巨赤芽球性貧血になってしまうのです。

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    ドジャース佐々木朗希に向けられる“疑いの目”…逃げ癖ついたロッテ時代はチーム内で信頼されず

  2. 2

    ドジャース佐々木朗希の離脱は「オオカミ少年」の自業自得…ロッテ時代から繰り返した悪癖のツケ

  3. 3

    注目集まる「キャスター」後の永野芽郁の俳優人生…テレビ局が起用しづらい「業界内の暗黙ルール」とは

  4. 4

    柳田悠岐の戦線復帰に球団内外で「微妙な温度差」…ソフトBは決して歓迎ムードだけじゃない

  5. 5

    女子学院から東大文Ⅲに進んだ膳場貴子が“進振り”で医学部を目指したナゾ

  1. 6

    大阪万博“唯一の目玉”水上ショーもはや再開不能…レジオネラ菌が指針値の20倍から約50倍に!

  2. 7

    ローラの「田植え」素足だけでないもう1つのトバッチリ…“パソナ案件”ジローラモと同列扱いに

  3. 8

    ヤクルト高津監督「途中休養Xデー」が話題だが…球団関係者から聞こえる「意外な展望」

  4. 9

    “貧弱”佐々木朗希は今季絶望まである…右肩痛は原因不明でお手上げ、引退に追い込まれるケースも

  5. 10

    備蓄米報道でも連日登場…スーパー「アキダイ」はなぜテレビ局から重宝される?