名画座で特集上映 没後5年の池部良が“再評価”される理由
古き良き名作を特集上映することで知られるラピュタ阿佐ケ谷(東京・杉並区)で5月17日から池部良(享年92)特集が組まれるというので、関係者の間で話題になっている。池部が敗血症で亡くなったのは2010年10月で、もう5年も前のこと。それがなぜ今、なのか。映画批評家の前田有一氏が言う。
「“健さん効果”は大きいでしょう。昨年11月に高倉健さんが亡くなって以来、テレビや劇場では連日のように健さん特集を組みました。そのうち池部は『昭和残侠伝』シリーズはもちろん、『居酒屋兆治』や『冬の華』などでも健さんと共演していた。そうした特集を見るうち、改めて池部の渋さを認識した若い人たち向けに組まれたものだと思います」
ラピュタ阿佐ケ谷の宣伝担当も健さん効果を否定しない。
「池部さんといえば、若いころの『青い山脈』『坊っちゃん』などが有名で“二枚目スター”という呼称ばかりが先行していますが、実は『戦争と平和』のようなシリアスなものから『お笑い捕物帖』のようなコミカルな役までこなしていて、いつかは再評価する特集をやりたいと思っていたのです。ちょうど、そんなところへ最近、ファンの方からのリクエストも多くなったため、今回の運びとなりました」
ラピュタの特集は7月11日まで。ここはひとつ、久しぶりに「昭和残侠伝」での健さんとの殴り込みにシビレてみますか。