鍛えられるかは経験次第 脳科学者が語る「直感力」の秘密
仕事でもプライベートでも、直感力の高さは「成功」を呼び寄せる。脳科学者で脳トレ関連の著書多数の諏訪東京理科大学・篠原菊紀教授に聞いた。
判断力と直感力は違う。
「判断力は、AとBなど何らかの選択をする時、その判断プロセスを自覚して答えを出すこと。直感力は、そのプロセスが顕在化していません。なぜAではなくBを選んだのか、その答えに至るプロセスを自覚していない状態を指します」
篠原教授は、直感力に関する興味深い実験を紹介してくれた。それは、棋士を対象に行ったものだ。彼らがどの一手を指すかを考える時の脳の動きをチェックすると、次の一手を時間をかけて考える時は、脳の前頭葉が活発に活動していた。
前頭葉は、思考や創造性を担う脳の最高中枢と考えられている。記憶や情報を一時的に保持してなんらかの答えを出し、行動していく機能を担い、「脳全体の司令塔」という呼び名もある。次の一手を考える時に前頭葉が活発化するというのは、至極納得できるメカニズムだ。