丸刈り指令、外出禁止のアナクロ…日本野球がダメな理由
「京大のアメフト部は最終学年の4年生が雑用をやり、新入生は1年間、アメフトに親しむ時間が与えられる。それに比べたら、いかにも野球的ですよね」
「コーチ論」などの著書があるノンフィクション作家の織田淳太郎氏がこう言う。
宮崎で行われていた巨人の一軍合同自主トレ初日、主将の阿部慎之助(34)が2年目の坂口真規(23)をつかまえ、「髪が長いから刈ってこい」と“命令”。翌日に坂口が丸刈り頭で練習に現れたことに、「頭を丸刈りにしたって野球がうまくなるわけでもチームが強くなるわけでもない。軍隊方式がいまだにまかり通っているのは、高校野球なども含め、野球界だけでしょう。旧態依然とした体育会方式で統制を取るやり方はもうムリがある」と言うのである。
絶対的な存在の阿部は、中大の後輩でもある沢村の新人時代にも丸刈り指令を出したことがある。「紳士の球団」の巨人ではもともと長髪やヒゲは禁止。身だしなみには特に厳しい。阿部はその伝統を忠実に継承しているのだろう。
そうかと思えば、日本ハムでは2年目を迎える大谷翔平(19)が昨年から引き続き、今年も外出を禁止された。栗山監督は「文句があるなら結果を残せ」などと言っている。昨夏の球宴期間中に先輩の中田らと外食に出かけた際は栗山監督に「聞いていない」と大目玉を食らった。今年7月には20歳になるというのに、まるで子供扱い。織田氏が続ける。