(44)家主がいなくなった実家は想像以上の速さで終末へと向かっていった

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 空き家になってしまった実家。最初のうちは何度も行き来するけれど、次第に間隔が空くだろうと思い、最低限の管理をお願いするため地元の不動産事務所に月1回の「窓開け・通水サービス」を申し込んだ。ところが、下見を終え、契約日も決まっていたにもかかわらず、前日になって「引き受けることができない」と連絡が入った。

 理由を聞くと、勝手口の鍵が内側からかける方式で、防犯上の責任が持てないというものだった。既に防犯会社のセキュリティーシステムも設置してあるのでその点に責任を持ってもらう必要はないと説明したが、それでも引き受けられないと、ぴしゃりと断られた。想定外の出来事だった。

 不動産関係の友人が「空き家管理を引き受けるかどうかは、将来的な売却が暗黙の前提になることがある」と教えてくれた。私は「家は母名義で、当面売る予定はない」と伝えたので、将来的な利益につながらないと判断されたのだろう。他の会社を当たる気力ももうなかった。

 大きく茂った庭木の剪定はシルバー人材センターに頼んで済んでいた。けれど雑草まではまだ対応できておらず、夏に向かって恐ろしいほどの勢いを増す草を見ていると、急にどうにかしなければならないという衝動に駆られた。雨の中、庭に出て、体中泥だらけになりながら私は一心に草を抜いた。けれど、草はいっこうに減る様子はなかった。

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