「市民後見人」…時間をかけてでもなることのメリットとは?
「市民後見人」とは市区町村などが実施する養成講座を受講し、成年後見制度に関する一定の知識を身に付け後見活動を行う人のことを指している。これは司法書士や弁護士などの専門職と違い、その地域をよく知る市民が、市区町村などの支援を受けながら同じ地域の市民のために行うものと位置付けられている。
背景にあるのは超高齢化社会ゆえの認知症有病率の高さだ。参考までに日本の65歳以上の高齢者の軽度認知障害は15.5%、認知症だと12.3%の有病率とのデータがあり、この世代の4人にひとり以上が何かしらの認知問題を抱えていることになる。
つまり、司法書士や弁護士などの専門職だけでは人材不足になってしまうため、少しでも一般市民の中から後見活動のできる人を増やそうという意図がある。ちなみに、特別な研修を受けなくても一般市民が後見人として家庭裁判所に申立てすることは可能だが、何も知識がないまま始めることは難しい。
市民後見人になるための基本的な流れは、自分が住んでいる地域の養成講座を調べ申し込むこと。市区町村名と市民後見人講座で検索すれば、役所や社会福祉協議会のHPがヒットする。年に数回程度しか開かれていないもの、多くの講座は無料で門戸を開いているはずだ。