ソーシャルワーカーの“つなぎ役”の役割が重要なのはなぜか
病気やケガにより障害が生じた患者さんや要介護の高齢者の回復、在宅復帰後の生活を支援する役割を担っているのは、ケアマネジャーだけではありません。「ソーシャルワーカー」も同様です。
ソーシャルワーカーは、一般的に社会福祉士や精神保健福祉士の国家資格を取得していて、子供から高齢者まで生活に援護を必要としている方を対象に幅広く相談に乗り、必要な社会的支援を行います。そのうち、医療機関に勤務して患者さんや家族の相談に対応し、治療チームとの方向性を効率的につないだり、退院後の生活や社会復帰支援など幅広いサポートを行うのが医療ソーシャルワーカーです。医療や社会制度に関する情報提供をはじめ、福祉サービスや施設との連携、退院後の生活や経済的な支援の相談にのったり、調整を行います。
■患者と家族の希望を聞いて現場に伝える
そんな多岐にわたる仕事の中には、“つなぎ役”という大切な役割が含まれています。回復期リハビリ病院や介護老人保健施設(老健)には、専門が異なる医師をはじめ、看護師、薬剤師、管理栄養士、歯科衛生士、理学療法士、言語聴覚士、作業療法士といったセラピストが働いていて、患者さんをしっかり回復させるためにはそれぞれの職種がきちんと連携してリハビリ治療に臨むチームの力が重要です。ソーシャルワーカーは、患者さんと家族の立場に立ちながら、そうしたリハビリチームとの“つなぎ役”の役割を担います。患者さんや家族はどのような治療を望んでいて、自宅退院後はどんな生活をしたいのか。そうした希望をしっかり聞き取って、リハビリチームに伝えて、つなぐのです。