自宅で懸命にリハビリ…半年で自力通院できるまでに回復
皮膚とその下の組織に細菌が感染して炎症が起こる「蜂窩織炎(ほうかしきえん)」と、腰椎圧迫骨折の治療のために入院していた89歳の女性患者さんが、退院をきっかけに私たちのクリニックで在宅医療を始めることになりました。
入院中、蜂窩織炎は回復しましたが、今度はかかとなど複数箇所に「褥瘡(じょくそう=いわゆる床ずれ)」ができ、外出が難しい状態になっていました。
ご主人は要介護認定を受けており、介護を担うのは無理。娘さんが近くに住んでいますが、ケアのために実家へ戻れるのは週末だけ。そのため、訪問診療がスタートしました。
まずは蜂窩織炎の再発を防ぐため、ふくらはぎを弾性包帯でしっかり圧迫し、必要に応じてクリームを塗布する治療を開始しました。患者さんはまだ歩行が難しい状態でしたが、訪問看護によるリハビリに積極的に取り組んでくださり、その結果、在宅医療開始から約1カ月で歩行器を使って歩けるまでに回復しました。
さらに、患者さんはご自身の体調をよく理解し、疑問があれば積極的に質問をしてくださる方でした。