(37)仕事と介護を両立させるために必要なこと

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 母の施設探しをするうち、介護に関する話題を目にする機会が増え、他人事ではないと感じるようになってきた。なかでも介護のために離職する人はいまだに多く、社会的な課題としてたびたび取り上げられている。

 私は、実家に戻って母の介護をするという選択肢を最初から考えていなかった。理由は明確で、生活と仕事の基盤が東京にあるからだ。

 もう両親と暮らした時間よりも、東京で過ごした年月の方が長くなっていた。今の仕事も、私が東京にいてこそ成立しているものが多く、場所を離れることで仕事の継続が難しくなるのは明らかだった。

 フリーランスで働いているため、会社員のような制度的な休暇は存在しない。その代わり、自分で仕事のスケジュールを調整しながら、時間と労力をやりくりして対応してきた。ただ、柔軟さがある一方、手を動かしていない間は、基本的に収入が発生しない。そうした不安定さにおびえることもあった。

 会社員の場合、日本の制度では「介護休業」と「介護休暇」が設けられている。介護休業は、要介護状態の家族1人につき、通算93日まで取得可能とされ、3回まで分割できる。これは長期間の介護を支えるための制度と見られがちだが、実際にはこの期間で介護そのものが完結することはほとんどない。

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