(47)父との思い出話も、私の幼い頃の記憶も、もう共有できないのだ

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 親が亡くなると、手続きの多さに驚く。例えば相続には「3カ月以内に承認か放棄を決める」「10カ月以内に相続税を現金で納める」といった期限がある。

 私の場合は幸か不幸か、父が税金の対象になるほどの財産を残しておらず、実際の手続きはほとんど不要だった。もしそうでなければ途方に暮れていたに違いない。親が生きているうちは思いつきもしなかったことが次々に必要になる。

 喪中はがきもそのひとつだった。年末が近づき、父宛てに次々と届く喪中はがきを見て、ああ、うちも出さなければならないのだと気づいた。しかし、出来合いの文面に名前だけ差し込むものは味気ない。バイクに乗り、ダンスに興じ、老いても冒険心とユーモアを失わなかった父の人生を少しでも伝えたいと、自分でデザインと文面を作った。

 そのおかげで、筆まめだった父が今年わずかに2枚だけ出していた年賀状の謎が解けた。ひとりは叔父である弟宛て。もうひとりは誰なのかと気になっていたが、「喪中はがきを見ました」と一本の電話があったのだ。仕事をしていた頃の後輩だという。アマチュア無線やツーリングを一緒に楽しんだ若い頃の思い出を、先輩、先輩と呼びながら語ってくださった。

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