著者のコラム一覧
下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

大切な人の旅立ち…あなたならどんな言葉をかけますか?

公開日: 更新日:

 脳出血の後、アルツハイマー型認知症や1型糖尿病など複数の病気を抱えながら、3年半にわたり在宅療養を続けていた90歳の女性患者さんがいました。

 独立して近くに暮らす娘さんと息子さんが、ほぼ毎日交代で介護に通っていました。

 ある日、弱っていく母の姿に耐えかねた娘さんが、私に点滴を希望されました。

「静脈点滴をご希望なのは、どんなお気持ちからですか?」(私)

「少しでも長く……」(娘さん)

「血管からの点滴は可能ですが、糖分を含む点滴でも、普通の人の1食分にも満たない栄養しかありません。そのため、状態が持ち直す可能性は低いです。さらにお母さまは糖尿病もあるので、血糖値が大きく変動するリスクもあります」(私)

 娘さんの「少しでも長く一緒にいたい」という切実な思いが、ひしひしと伝わってきました。

 それでも私は、衰えていく体に点滴を行うことのメリットとデメリットを、言葉を尽くし説明しました。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    【広陵OB】今秋ドラフト候補が女子中学生への性犯罪容疑で逮捕…プロ、アマ球界への小さくない波紋

  2. 2

    NHK「昭和16年夏の敗戦」は見ごたえあり 今年は戦争特別番組が盛りだくさん

  3. 3

    永野芽郁が“濡れ場あり”韓流ドラマで「セクシー派女優転身、世界デビュー」の仰天情報

  4. 4

    有本香さんは「ロボット」 どんな話題でも時間通りに話をまとめてキッチリ終わらせる

  5. 5

    海星・陣内優翔は長崎県初の“完全男”だが…スカウトが「上位獲得」を渋るワケ

  1. 6

    中居正広氏は法廷バトルか、泣き寝入りか…「どちらも地獄」の“袋小路生活”と今後

  2. 7

    綾瀬はるか3年ぶり主演ドラマ「ひとりでしにたい」“不発”で迎えた曲がり角…女優として今後どうする?

  3. 8

    中山美穂「香典トラブル」で図らずも露呈した「妹・忍」をめぐる“芸能界のドンの圧力”

  4. 9

    長崎を熱狂させた海星・酒井圭一さんが当時を語る…プロ引退後はスカウトとして大谷翔平を担当

  5. 10

    安藤サクラ「柄本佑が初めて交際した人」に驚きの声…“遊び人の父”奥田瑛二を持つ娘の苦悩