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下山祐人あけぼの診療所院長

2004年、東京医大医学部卒業。17年に在宅医療をメインとするクリニック「あけぼの診療所」開業。新宿を拠点に16キロ圏内を中心に訪問診療を行う。

薬剤師の何げない言葉からわかった患者家族の意外な状況

公開日: 更新日:

 在宅医療を導入すると、それまで見えなかった患者さんのご家庭が抱えるさまざまな問題が明らかになることがあります。

 問題の内容は、患者さんの病状に関することだけにとどまりません。患者さんの性格に起因するトラブル、経済的な問題、ご家族間のあつれきなど、各家庭によって多岐にわたります。そして、これらの問題は、私たちが実際に患者さんのご自宅を訪問しなければ、決して気づくことのできなかったものばかりです。

 最近、私たちのクリニックで在宅医療を始めた、90代のお母さんと60代の娘さんによる2人暮らしのご家庭がありました。

 サービス担当者会議を開いた際、昔からこの親子を知る薬剤師さんから、診察だけではわからない意外なご家族の状況を伺いました。

「実は娘さんは、経済的に大変なのに90代のお母さんを介護しなければならないという、きょうだいからの強いプレッシャーで強迫観念に襲われているようです」

 娘さんは血液循環の悪化による「うっ滞性皮膚炎」を患い、入退院を繰り返していたといいます。在宅医療を始めたのは、通院にかかる交通費を使い込んでしまい、通院が途切れがちになったことを周囲が心配したという事情もありました。どうやらお金の管理が苦手で、それが経済的な困窮にもつながっているようです。

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