「AYA世代」のがん患者の診察が増加…全国に広がる支援事業
最近、訪問診療の現場で、若いがん患者さんを診察する機会が増えています。このような思春期から若年成人の患者さんを「AYA世代(Adolescent and Young Adult)」と呼びます。
高齢のがん末期患者さんの場合は、医療保険や介護保険を組み合わせ、訪問診療・訪問看護・ホームヘルプサービスなど、最期まで自宅で過ごすための制度やサービスが整っています。
一方で、AYA世代の患者さんは制度面でまだ不利な点が多く、十分な支援が受けられない現状があります。
例えば、医療保険は現役世代のため自己負担が3割となります。また、介護保険は40歳の誕生日から保険料を納め、要介護認定を受けて初めて利用できる制度です。
40歳以上65歳未満であれば、がん末期の診断を受けることで介護保険を利用できますが、若年のがん患者さんは病状の進行が速く、末期の診断から旅立つまでの期間が短いため、制度利用が間に合わないケースが少なくありません。
それでも、小さなお子さんを抱えていたり、やり残したことがあったりして、自宅での療養を望む患者さんは多くいます。