準決勝で王者ジョコビッチと対戦 劣勢跳ね返す錦織の強み
■専門家は「178センチでも世界は取れる」
フェデラー、ジョコビッチの成長を見てきたテニスジャーナリストの塚越亘氏がいう。
「ツアー・ファイナルという大会は4大大会とは異なり、日程面でも8人の選手はベストの状態で臨める。若い選手は強い選手と戦い、最高のショットを打っても返され実力差を認識する。何をどうすれば世界のトップに立てるのか、課題がみつかる。だからフェデラーやジョコビッチがファイナル初出場の翌年に4大大会に初めて勝ったことは偶然ではない。今年初出場の錦織もこの大会で何かを見つけて来年の飛躍につなげてほしい」
とはいえ、にわかファンの間では「フェデラーやジョコビッチは身長が185センチ以上あり、錦織よりはるかに強烈なサーブもある。世界のトップを狙うのはちと厳しいのでは」との声もある。
「ない物ねだりをしてもしょうがない。でも、フェデラーやジョコビッチがビッグタイトルを獲得する前より、今の錦織の方が創造力やフルセットでの勝負強さ、駆け引きなどは上です。スタミナもつき、重いショットも打てるようになってきた。178センチでも世界は取れる」(前出・塚越氏)
ちなみに準決勝に進むジョコビッチは、年間の世界ランク1位(2年ぶり3度目)が決まった。