クロキタダユキ
著者のコラム一覧
クロキタダユキ

キングスマン:ゴールデン・サークル(2017年、英国)

公開日: 更新日:

 無国籍スパイ集団キングスマンは、高級テーラーショップを装って活動する。ビシッとスーツに身を包んだ英国紳士を演じるのは、オスカー俳優のコリン・ファース。気取りながらも、バッタバッタと敵をやっつけるのが痛快だ。オジサン的には、若者の活躍より断然いい。

 映画は冒頭、キングスマンが謎の組織ゴールデン・サークルの奇襲で壊滅させられるシーンから動き出す。生き残った若きキングスマン・エグジーは、米国のウイスキー醸造所職員に扮した諜報機関ステイツマンと共闘。人類壊滅をもくろむ敵組織に立ち向かう。

 そこに絡むのが、ファース演じる中年スパイのハリーだ。前作で殺されたことになっているが、実は生きている設定。頭を撃たれて記憶喪失状態だが、エグジーとのタッグ効果で記憶が徐々に回復する。そんな過程で、恋に悩む若者を中年男が諭した言葉だ。

 もう一つの見どころは、敵に拉致されたエルトン・ジョンのハッチャケぶり。オネェぶり全開で悪態をつきながら「ロケットマン」などのヒット曲を歌い上げるのだ。

 実は以前、「007」シリーズの主題歌にマドンナが起用されたことに腹を立て、「なぜあの女で、オレにオファーがないんだ」と不満を漏らしていたらしい。

 まぁ、いまも依頼はないが、同じようなスパイ映画に出演できたことがよっぽどうれしかったのだろう。はしゃぎっぷりが、ファンならずとも面白い。前作を見てからの観賞がオススメだ。

【連載】セリフ1つ読む映画

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  2. 2
    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

    大谷2戦連続6号弾 先輩の雄星も驚く「鈍感力」発揮!名門球団の重圧や水原問題もどこ吹く風

  3. 3
    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

    長渕剛が誹謗中傷に《具合が悪い》と告白…《話があるなら、来てほしい》と性被害告発の元女優に呼びかけ

  4. 4
    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

    松本人志に文春と和解の噂も、振り上げた拳は下ろせるか? 告発女性の素性がSNSで暴露され…

  5. 5
    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

    松本人志“性的トラブル報道”へのコメント 優木まおみが称賛され、指原莉乃が叩かれるワケ

  1. 6
    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

    広末涼子“不倫ラブレター”の「きもちくしてくれて」がヤリ玉に…《一応早稲田だよな?》

  2. 7
    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

    佐々木朗希にメジャー球団は前のめりも…ロッテ首脳陣が依然として計算できない脆弱ボディー

  3. 8
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  4. 9
    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

    阪神・岡田監督ようやく取材解禁の舞台裏 もう怖いものなし?今後の報道に忖度生じる可能性

  5. 10
    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異

    大谷は徹底した個人主義、思考回路も米国人…ゴジラ松井とはメンタリティーに決定的差異