経済学者・小黒一正氏「高インフレのリスクが迫っている」

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 それは有効な施策のひとつです。介護職に若い人が就いても、統制経済で介護報酬は決まっているので低賃金。介護や保育の平均月収は20万円で、全国平均の30万円より低い。社会保障分野で人が働いてもGDPが伸びないのです。ですから、規制緩和で混合介護や混合保育を認めたりして、業者にもう少し違ったビジネスを解禁する。そうすることで、収益性を上げて賃金アップにつなげていくしかありません。実際、九州のある地域では、有料老人ホームの隣に大型商店街やスポーツ施設が設置され、その一帯でお金が回るようになっている。一種のエリアマネジメントといえます。

――来年の経済の見通しはどうですか。

 ダブル選挙をするのかしないのか。やりたくない公明党に対し、軽減税率で官邸は恩を売ったので、可能性は五分五分でしょう。今回、軽減税率導入が決まりましたが、消費税増税の17年4月まで1年ちょっとしかない。なんとなく決着したように見えますが、無理に実行すれば、いろいろ問題が生じて混乱するのは確実です。それに景気循環を見てみると、17年に向けて景気がボトム、つまり景気が下り坂になる可能性がある。そこで増税ができるのか。しかし、この財政状況ではやるしかない。今苦しい思いをするのか、後で高インフレで苦しむのか。少なくとも、異次元緩和でハッピーエンドというシナリオはありません。

(聞き手=ジャーナリスト・横田一)

▽おぐろかずまさ 1974年生まれ。京大理学部卒。その後、同大学院で修士(経済学)、一橋大で博士(同)。大蔵省(現財務省)入省後、財務総合政策研究所主任研究官、一橋大准教授などを経て法大経済学部教授。

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