下品な「カネをくれてやるセレモニー」 予算編成権を武器に自民の“集票マシン”を取り込んだ
2017年1月24日付の紙面記事を再掲載
東京都の小池百合子知事が今年8月で就任10年の節目を迎えた。東京五輪と築地市場移転の計画見直し、都議会自民党との対立、新党結成と国政進出、混乱続きのコロナ対策、そして灰色の自身の経歴──。「劇場」と称されたパフォーマンス都政は疑惑と裏切りの連続だった。都庁に君臨する「女帝」の本質を日刊ゲンダイのアーカイブから振り返る(年齢、肩書は当時のまま)。
◇ ◇ ◇
ちょっと品性を疑わせる儀式である。小池都知事がきょう(23日)午前から各業界団体のトップを都庁に呼び出す。2017年度予算案の知事査定の結果、つまり“オタクの団体にはこれだけの予算をつけます”と伝えるためにだ。25日に予算案の全体像の発表を控え、各種団体に“カネをくれてやる”と言わんばかりのセレモニー。予算編成権を掌握する立場を強調した高慢な態度は、来る都議選のマイナス要因となりかねない。
小池は昨年12月の都議会で、毎年度盛り込んでいた200億円の「政党復活予算枠」の廃止を宣言し、予算編成過程の透明化との口実で自ら公開ヒアリングを実施。計6日間、約18時間半にわたって都内約60の団体と都議会各会派から要望を聞き取ったが、実際に予算の結果を伝える時間は1団体あたり5分程度。しかも小池には珍しく、メディアには非公開というから“下品な儀式”との自覚があるのだろうか。
政党復活予算は都議会最大会派の自民党、ひいては「ドン」こと内田茂都議一派の力の源泉だった。
毎年秋には、各種団体が自民党都議団に予算に関する要望を伝え、都議団は復活予算でリクエストに応じる。そして各種団体は比較的投票率の低い都議選で有利に働く「組織票」で報いる──こうした「都独自の慣習」に終止符を打ち、ドン一派から“集票マシン”を引きはがすのが、小池の狙いのようだ。
「ある団体のトップは小池知事の側近に初めて会うなり、『今後、都の予算は議会でなく、小池が決める』『次の都議選は自民党ではなく、小池の推す候補を応援しろ』と迫られたと言います。小池塾の塾生から擁立する方針とはいえ、まだ候補も決まっていないのに、随分と居丈高な態度です」(業界団体関係者)
そのうえ、昨年末のヒアリングも今回の予算案の伝達も、各種団体とのスケジュール調整は一切なし。小池サイドが「この日、この時間はこの団体」と一方的に呼びつける。ヒアリングのトップバッターだった「東京私立中学高等学校協会」のように団体トップが公用で欠席すると、小池に「お越しいただけなかったこと、とても残念でございます」などとイヤミを言われてしまうのだ。
それでも予算編成権を小池に握られている以上、各団体とも“ワタシの敵”とニラまれないよう、耐え難きを耐え忍んでいるに違いない。
「小池都知事のような立場にある政治家には、やはりバランスが求められます。都知事なら何でも自分の思い通りになるかのような独裁者然とした態度は各種団体の反感を買うだけ。都議選目前の予算編成権を武器に、自民党都議団の支持組織を自分たちに取り込むのが狙いなら、マイナスにしかなりません。いずれ自分自身にはね返ってくると思います」(政治評論家・山口朝雄氏)
小池詣でに気を良くした“ハダカの女王様”なんて、シャレにならない。
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