(50)胃ろうを考える時期が来た…老人ホームに入居してから1年
母が民間の有料老人ホームに入居してから1年が経った。入所時の介護度は「要介護2」。レビー小体型認知症の症状のうちのひとつなのだろう、無表情で、言葉を発することもなく、こちらの話が通じているのかもわからなかった。ただ、そのときはまだ、自分の足で歩き、両手を使って食事もできていた。
その後、パーキンソン症状が進行し、歩くことも、手を動かすこともできなくなった。ついに四肢マヒ状態で寝たきりとなり、食事は全介助に。のみ込むことはできていたが、やがてそれすらも難しくなっていった。
ある日、施設に通う主治医から電話があった。胃ろうを考える時期が来たというのだ。母はかねて、延命措置はしてほしくないという意思をはっきり示していたため「しなければどうなりますか」と聞いたところ「餓死するということですね」という。その言葉に強い衝撃を受けた。
動揺する私と、医師の間にケアマネジャーが入ってくれた。胃ろうの前に経鼻経管栄養という措置をしてはどうかという。ただし、どちらにしても医療的ケアが可能な別の施設に移らなければならない。今の施設では継続的な医療行為はできないからだ。


















