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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

高用量のインフルエンザワクチンで認知症のさらなる予防

公開日: 更新日:

 認知症の進行には、ウイルスなどの感染が影響するという知見があります。実際にウイルス感染を予防するワクチンを接種することにより、認知症のリスクが低下するという報告があります。

 たとえば、2022年の認知症の専門誌に掲載された論文によると、インフルエンザワクチンを接種した65歳以上の高齢者は、その後4年の認知症のリスクが40%低下していました。ただ、こうしたデータはワクチンを打った人と打たない人とを比較していて、ワクチンを接種する習慣のある人は、健康全般に気を使っていることが想定されるので、それが結果に影響を与えている可能性が指摘されています。

 今年の神経科学の専門誌に、最近発売された高用量のインフルエンザワクチンを、通常のワクチンと比較して、認知症のリスクを調査した論文が掲載されています。65歳以上で通常の4倍の抗原を含むインフルエンザワクチンを接種した人は、通常のワクチンを接種した人と比較して、その後2年余のアルツハイマー型認知症のリスクが約20%有意に低下していました。

 ワクチンの抗原量が多い方が認知症のリスクが低かったという今回の結果は、ワクチンが認知症予防に有効だという可能性を、これまでのデータより高く示すものだと思います。

 ワクチンは、感染症だけではなく、認知症の予防にも有効であるのかもしれません。

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