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石原藤樹「北品川藤クリニック」院長

信州大学医学部医学科大学院卒。同大学医学部老年内科(内分泌内科)助手を経て、心療内科、小児科研修を経て、1998年より「六号通り診療所」所長を務めた。日本プライマリ・ケア学会会員。日本医師会認定産業医・同認定スポーツ医。糖尿病協会療養指導医。

認知症の予防にはコーヒーが有効? 60歳以上で1日4杯以上

公開日: 更新日:

 コーヒーを1日3~4杯くらい飲むという習慣が、糖尿病や肝臓病、心臓病などの予防になり、健康長寿に結びつく。そのメカニズムは不明であるものの、世界規模の多くの疫学データにより、実証されている事実です。ただ、病気によってはコーヒーの健康効果に議論のあるものもあり、そのひとつが認知症への影響です。

 認知症に関しては、一定の予防効果があったという報告がある一方で、むしろリスクを増加させたという報告もあって一定していません。コーヒーは認知症の予防になるのでしょうか?

 今年の栄養学の専門誌にアメリカの国民健康調査のデータを解析した論文が掲載されています。それによると、年齢が60歳以上で、1日4杯以上(480グラム以上)コーヒーを飲む人は、飲まない人より、記憶などの認知機能が高く保たれていることが確認されました。また、認知症のタイプのひとつであるレビー小体型認知症のリスクを低下させることも確認されました。

 一方で遺伝子を解析したデータでは、コーヒーをたくさん飲む人は、認知機能がより早く低下する、という結果も得られています。このように、認知症とコーヒーとの関係はそう単純ではなさそうですが、ほどほどにコーヒーを飲む習慣が脳の働きを高める可能性はあるようです。

【連載】医者も知らない医学の新常識

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