子供の時の「孤独感」が認知症の原因になる…1.7万人の中高年を観察
「認知症」はその症状が出現する数十年前から、脳の変化はすでに始まっているといわれています。そのため、認知症の有効な予防法があるとすれば、若い時期から始めないと効果がない可能性が高いのです。
環境から受けるストレスが脳に影響を与えるという考え方があります。その意味で、認知症のリスクのひとつと考えられているのが、「寂しさ」や「孤独感」です。孤独は、信頼のおける友達や家族などコミュニケーションを密に取る相手が少ないことが原因となりますが、友達が少なくても寂しいと感じない人もいますから、孤独を感じるかどうかは、その人の体質による部分もあるのです。
「孤独を強く感じる人は認知症になりやすい」という報告がこれまでにいくつかありますが、それがいつ頃から影響するのかについては、あまりはっきりしたことが分かっていませんでした。今年の米国医師会関連の医学誌に、中国での研究結果が報告されています。
1.7万人以上の中高年を観察したデータによると、子供の頃(17歳未満)に、強い孤独感を感じていたとインタビューで答えた人は、その後に認知症になるリスクが、41%有意に増加していました。意識的に地域との交流を持つなど、コミュニケーションの機会を多く持つことは、孤独感を和らげるだけでなく、認知症の予防としても有効なのかもしれません。



















