(55)82歳で認知症になった母からもらった大きな課題

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 これまで1年間にわたって、母が認知症だと気付いた日から3年間の出来事をつづってきた。

 母は認知症の急激な進行によるセルフネグレクトで衰弱。熱中症での救急搬送から入院し、自分の身の始末がまったくできず、そのまま施設に入所し、要介護5の寝たきりになった。しかし専門家の的確なリハビリにより嚥下機能と右手の機能を取り戻し、適切な投薬とプロ意識の高い施設の職員の介護による安定した生活で、今では食事も意思疎通もほぼ問題なくできるようになった。

 ここ2年ほどは大きな出来事もなく、淡々と日々が過ぎている。私なりの母との距離感や、空き家の実家の管理方法が見つかり、いざ何かが起きた時の対処法や母の「その後」についても考え尽くしたからだろう。

 母は82歳でそれまで続いていた日常を失い、被介護者となった。まだまだ元気な人も多い年代だ。友人の元気な両親の話を聞いたり、同年代で活躍する人をメディアなどで見たりするたびに、「なぜ私の母はこうならなければならなかったのだろう」と涙を流しては、その人にはその人のたどる道があり、ただそれだけのことなのだと自分に言い聞かせてきた。

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