「同調圧力の正体」太田肇著
コロナ禍によって改めてその存在が浮き彫りになった、日本社会の同調圧力の正体を解き明かす日本人論。
同調圧力は、大小さまざまな共同体の中で生じる。共同体とは、本来は家族やムラのように自然発生的で情によってつながる集団である。一方、会社や学校、国や地方自治体は特定の目的を追求するためにつくられた集団で「組織」に相当する。しかし、日本ではそれらが共同体的な性質を併せ持ち、学校の中にクラス、会社の中に部・課と、レベルの違う共同体が入れ子状態になっている。内側の小さな共同体ほど同調圧力は強くなるという。
なぜ日本では大は国家から、小は職場やクラス、そしてLINEグループまで共同体になっていくのか。その仕組みから立ち向かい方までを論じる。
(PHP研究所 1012円)