豪華出演陣の感動作 「すもも」は自主映画から時代劇発信
「水戸黄門」「大岡越前」など長年、人気時代劇シリーズのメーン監督を務めてきた井上泰治さんの新作映画「すもも」の完成披露上映会が決定した。
舞台は幕末の信濃。藤城藩のエリート藩士加川慎一郎(高杉瑞穂)は、大筒の演習中に暴発事故で負傷。右手も不自由になってしまう。許嫁も身分も失い、自暴自棄になりかけた彼に庄屋の宗右衛門は、寺子屋の先生になることをすすめる。顔のやけどから「バケモノ先生」と呼ばれる慎一郎と、子どもたちはなかなか馴染めなかったが……。
幕末の動乱、障害を負った人間の苦悩と再生、人との支え合い。日本人が長く大切にしてきた心を多彩に織り込んだ内容だ。実はこの作品は井上監督を中心にした製作委員会による自主製作映画。「時代劇は日本のアイデンティティーと芸能文化を世界に発信する重要なコンテンツ」という監督の熱い心に共鳴した出演者、スタッフ、協賛企業が集結した作品なのである。
協賛企業には流通、建設、メディアなどさまざまなジャンルの会社が名を連ねる。また、宗右衛門役で里見浩太朗が友情出演することも話題に。監督と現場で苦楽を共にした名優は文字通りの「友情」を胸にしみじみとした演技を見せている。