著者のコラム一覧
ラサール石井参議院議員

1955年生まれ。大阪市出身。渡辺正行、小宮孝泰と結成したお笑いトリオ「コント赤信号」で人気に。声優、俳優、司会者、脚本家、演出家、コラムニストとして活躍。第23回読売演劇大賞優秀演出家賞受賞。2025年、参院選に社民党から立候補し当選。副党首に就任。

戒厳令下でも機能した韓国の司法・行政の分離。日本で同じことが起きたら…

公開日: 更新日:

 韓国の戒厳令に世界中が驚かされた。

 尹大統領の真意は今もって不明だが、軍事独裁政権以来の大統領によるクーデターは、たった6時間で挫折した。

 なぜ尹氏はこんな暴挙に出たのか。あらゆる政治活動を禁止し、メディアの報道を統制する非常戒厳が政権維持のために使われたとしたら、それは民主主義に対する挑戦である。

 韓国が軍事政権から民主主義を勝ち取ったのは1980年代。まだつい40年前の出来事だ。我々が漫才ブームなどで浮かれている時に、多くの市民が死傷した光州事件が起きた。今も数々の映画になるくらい国民には生々しいトラウマだ。だから、非常戒厳が発せられた瞬間に大多数の市民が国会前に押し寄せた。国会議員も集結し、議会を開き戒厳令を解除させる決定を下した。

 ここが解せないところなのだが、尹氏が戒厳令を発した3分後には300人の武装兵士が選挙管理委員会の庁舎を占拠している。これは野党の不正選挙の証拠探しだといわれている。しかし、国会に他の部隊が到着したのは30分後。その間に野党議員たちは急行しバリケードで国会を守った。軍隊がやる気ならもっと迅速に国会を占拠できたはずである。しかも兵士はみな実弾を装填(そうてん)していなかった。

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    立花孝志容疑者を"担ぎ出した"とやり玉に…中田敦彦、ホリエモン、太田光のスタンスと逃げ腰に批判殺到

  2. 2

    阪神・佐藤輝明にライバル球団は戦々恐々…甲子園でのGG初受賞にこれだけの価値

  3. 3

    FNS歌謡祭“アイドルフェス化”の是非…FRUITS ZIPPER、CANDY TUNE登場も「特別感」はナゼなくなった?

  4. 4

    阪神異例人事「和田元監督がヘッド就任」の舞台裏…藤川監督はコーチ陣に不満を募らせていた

  5. 5

    新米売れず、ささやかれる年末の米価暴落…コメ卸最大手トップが異例言及の波紋

  1. 6

    兵庫県・斎藤元彦知事らを待ち受ける検察審の壁…嫌疑不十分で不起訴も「一件落着」にはまだ早い

  2. 7

    カズレーザーは埼玉県立熊谷高校、二階堂ふみは都立八潮高校からそれぞれ同志社と慶応に進学

  3. 8

    日本の刑事裁判では被告人の尊厳が守られていない

  4. 9

    1試合で「勝利」と「セーブ」を同時達成 プロ野球でたった1度きり、永遠に破られない怪記録

  5. 10

    加速する「黒字リストラ」…早期・希望退職6年ぶり高水準、人手不足でも関係なし