「天才アラーキーさんが共演者のように接してくれてうれしかった」深夜のセクシー女王・水島裕子さんが語る撮影秘話

公開日: 更新日:

水島裕子さん(女優・作家・タレント)

 1984年4月に放送が開始されたテレビ朝日の深夜のバラエティー番組「グッドモーニング」(~86年9月)で白色のノーブラ・タンクトップにノーパン・短パン姿で胸や股間を両手で押さえながら「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」というエッチな踊りを明るく爽やかに披露して大人気だった水島裕子さん。青山学院女子短大英文科在学中にタレント、モデル業をスタート。80年代から90年代にかけてヘアヌード写真集や日活ロマンポルノでも世の男性のハートをわし掴みにしつつ、映画評論や小説家デビューを果たして日本推理作家協会会員、日本映画ペンクラブ会員など多種多様な「顔」を持っている。振り返ると「32歳の時に出した写真集が鮮烈な記憶として残っています」と話す。「天才アラーキー」と言われる写真家・荒木経惟(84)がカメラマンを務めた「濹東エロス」(光文社)である。

■「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」で全国区人気に

 青短在学中に第一プロダクションという芸能事務所に入りました。五月みどりさん、小林幸子さん、千昌夫さん、新沼謙治さん、桂銀淑さんといった大物歌手が大勢いらっしゃいました。

 女優志望だったのですが、バラエティー部門所属ということになり、いつの間にか「グッドモーニング」に出演することが決まっていました。

 毎週月曜の深夜というか、火曜午前0時過ぎに始まるので「日本で一番早い朝番組」と言われていました。日本は極東なので「世界で一番早い朝番組」と局内では称してましたね。ちなみに関東エリアで「グッドモーニング」の次番組は「CNNデイウォッチ」というアメリカ発のお堅いニュース専門番組でした。

 お色気あり、お笑いありの番組「グッドモーニング」は、セクシーアイドルグループの先駆けだったオナッターズさんもレギュラーでした。

 NHKの午前6時台放送の「テレビ体操」という番組があるじゃないですか。あの健康的な体操番組のパロディーなんでしょうが、コミカルな歌詞とエッチな振り付けの「てん・ぱい・ぽん・ちん体操」は、最初はマルチタレントのウガンダさん(故人)が巨体を揺らしながら、軽快なステップを踏んでやっていました。でも、やはり「若い女の子でやろう」ということになったみたい。

 歌詞の「天(てん=頭の意)でお頭(つむ)をてん・てん・てん」「パイでお胸をぱい・ぱい・ぱい」「ポンでお腹をぽん・ぽん・ぽん」「チンでお股をちん・ちん・ちん」に合わせて頭のテッペン、胸、お腹、股間に手を当てるのがエロチックですが、いでたちもセクシーでしたね。

 どんな格好で踊ればいいのか、ディレクターに「自分で決めていいよ」と言われ、白色のタンクトップと白色の短パン姿をチョイスしました。そうそう、すべて自腹を切って買ったんですよ。

 タンクトップの下はノーブラでした。白いブラジャーだとタンクトップの下から透けて見えてしまい、それが何だか凄くイヤでしたね。乳首を隠そうとニップレスを貼ってみたのですが、同じように丸い形が透けて見えてしまい、思い切ってノーブラにしました。

 あの頃は「見せブラ」なんて発想自体なかったし、そもそも白いブラジャーなんて「小学生じゃあるまいし……」という思いもありましたね。

 短パンの下はノーパンでした。でも、エアロビクス用のキラキラとした分厚いエアロビタイツをはいていましたから、足を上げても広げても全然大丈夫でした。

 最初はスタジオ撮りでしたが、途中からロケにも出掛けるようになりました。大きな歩道橋の上で可愛い女子浪人生たちと踊ったり、渋谷のパルコの前でやった公開録画でオナッターズさんと一緒に踊ったり、見学の男性が飛び入り参加してくれたこともありました。

 80年代の深夜のバラエティー番組といえば、83年4月に始まったフジテレビの「オールナイトフジ」が一大ブームをつくり出し、ちょうど1年後に「グッドモーニング」が始まり、関西ではカルーセル麻紀さん、やしきたかじんさんのテレビ大阪「今夜はうしみつ族」が84年7月に、中京エリアでは84年4月に中京テレビ「HONKYとーく」がスタートしました。

 この2つの番組にも出させていただき、同時期に関西、中京、東京で制作された人気番組に関わることになりました。

 周囲から「深夜のセクシー女王として一気に知名度が上がって有名人になった実感はあった?」と聞かれることがありました。でも、名前と顔が急速に知られていったという感覚って、そんなにはなかったかな?

 80年代の半ば過ぎから超売れっ子カメラマンの野村誠一さん、清水清太郎さんにヌードを撮っていただいて写真集を出しました。傲慢な物言いにならないように気を付けながら話しますが……あの頃ってヌード写真のオファーは、凄く多かったように思います。

 でも、主演女優を務めた86年公開の日活ロマンポルノ「いたずらロリータ 後ろからバージン」でメガホンをとっていただいた金子修介監督もそうなんですが、私って好きなカメラマンさん、尊敬する監督さん以外の人の前で一糸まとわぬ姿になることを潔しとしないタイプなのです。

■関連キーワード

最新の芸能記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 芸能のアクセスランキング

  1. 1

    国分太一が「世界くらべてみたら」の収録現場で見せていた“暴君ぶり”と“セクハラ発言”の闇

  2. 2

    実は失言じゃなかった? 「おじいさんにトドメ」発言のtimelesz篠塚大輝に集まった意外な賛辞

  3. 3

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  4. 4

    元TOKIO松岡昌宏に「STARTO退所→独立」報道も…1人残されたリーダー城島茂の人望が話題になるワケ

  5. 5

    長嶋一茂は“バカ息子落書き騒動”を自虐ネタに解禁も…江角マキコはいま何を? 第一線復帰は?

  1. 6

    嵐ラストで「500億円ボロ儲け」でも“びた一文払われない”性被害者も…藤島ジュリー景子氏に問われる責任問題

  2. 7

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択

  3. 8

    27年度前期朝ドラ「巡るスワン」ヒロインに森田望智 役作りで腋毛を生やし…体当たりの演技の評判と恋の噂

  4. 9

    "お騒がせ元女優"江角マキコさんが長女とTikTokに登場 20歳のタイミングは芸能界デビューの布石か

  5. 10

    長女Cocomi"突然の結婚宣言"で…木村拓哉と工藤静香の夫婦関係がギクシャクし始めた

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  2. 2

    横綱・大の里まさかの千秋楽負傷休場に角界から非難の嵐…八角理事長は「遺憾」、舞の海氏も「私なら出場」

  3. 3

    2026年大学入試はどうなる? 注目は公立の長野大と福井県立大、私立は立教大学環境学部

  4. 4

    東山紀之「芸能界復帰」へカウントダウン着々…近影ショットを布石に、スマイル社社長業務の終了発表か

  5. 5

    「総理に失礼だ!」と小池都知事が大炎上…高市首相“45度お辞儀”に“5度の会釈”で対応したワケ

  1. 6

    大関取り安青錦の出世街道に立ちはだかる「体重のカベ」…幕内の平均体重より-10kg

  2. 7

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  3. 8

    義ノ富士が速攻相撲で横綱・大の里から金星! 学生相撲時代のライバルに送った痛烈メッセージ

  4. 9

    同じマンションで生活を…海老蔵&米倉涼子に復縁の可能性

  5. 10

    独立に成功した「新しい地図」3人を待つ課題…“事務所を出ない”理由を明かした木村拓哉の選択