著者のコラム一覧
永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

血液型に関係する病気(3)A型が新型コロナに感染しやすいワケ

公開日: 更新日:

 血液型と感染症で、いま最も注目を集めているのが新型コロナです。武漢で流行が確認された直後から、血液型との関係が調べられ、世界中で多数の研究論文が発表されています。それらを総合すると、「血液型がA型の人の感染リスクが最も高い」という結論になります。

 A型の感染リスクは、論文によってバラつきがありますが、他の血液型と比べて1.2~1.5倍程度となっています。

 新型コロナは、2002~03年に中国や香港を中心に流行したSARS(重症急性呼吸器症候群)と、症状(原因ウイルスも)が大変よく似ています。SARSのとき、患者の血液型と感染リスクが調べられ、A型のリスクが高くO型のリスクが低いことが示唆されていました。そこで今回も調べてみたら「やはり」という結果になっていたのです。

 A型の感染リスクが高い理由については、少し分かってきています。B型やO型の人が持っている、血液中の「抗A抗体」が関係しているらしいのです。

 血液型は赤血球表面を覆う糖鎖の種類によって決まりますが、それとは別に糖鎖に対する抗体も、重要な役割を担っています。A型の血液には、B型糖鎖(B抗原)に対する抗体(抗B抗体)が溶けています。逆にB型は、A抗原に対する抗体(抗A抗体)を持っています。

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