橋本聖子元五輪相「参院政倫審」で墓穴…「裏金」と「貸付金」ゴチャ混ぜのズサン会計

公開日: 更新日:

 弁明の場に出たのに、むしろ怪しさは増すばかりだ。自民党安倍派の橋本聖子元五輪相が14日、参院政治倫理審査会に出席。2016~19年に党参院議員会長を務めるなど要職を歴任したことから「自ら説明責任を果たす必要があると考えた」と語ったが、際立ったのは裏金のズサンな会計処理だ。

  ◇  ◇  ◇

 22年までの5年間に橋本氏が裏金化した額は計2057万円に上る。現職議員では6番目、参院議員に限れば山谷えり子元国家公安委員長の2403万円に次いで多い。21年2月に東京五輪組織委員会会長に就任してから22年6月末まで党を離れ、金額は3年分だけの“参考記録”だ。離党していなかったら、裏金界の金メダルに輝いていた可能性すらある。

 政倫審で異彩を放ったのはキックバック(還流)の会計処理だ。安倍派議員の多くが「派閥事務局から収支報告の必要はないと言われた」と言い訳する中、橋本氏は「私の事務所担当者は掲載しなくていいとは言われていない」と主張。ただし、「領収書は不要」と言われたため、派閥からの寄付金として計上できず、「便宜上、私からの借入金として収支報告書に記載したとの報告を受けた」と説明した。

 橋本氏は「全額を政治活動費として明確に収支報告に計上して、使途をつまびらかにしている。いわゆる裏金ではない」と強調したが、違法な虚偽記載であることは明白だ。しかも、借入金と還流分をゴチャ混ぜにしていたため、今月1日付で訂正した収支報告書の内容は粗さが目立つ。

 還流の受け皿は、橋本氏が代表を務める自民党支部だ。訂正後は還流分を派閥からの寄付として計上し、借入金は還流分を差し引いた額に修正した。問題はそれとは別の橋本氏からの借入金の記載だ。

 20年分は訂正前に年間の借り入れた額として1200万円を記載していたが、訂正後は一気に493万円まで減額。支出総額とのツジツマ合わせか、鉛筆ナメナメ感が半端ない。借入金の総額も5650万円から3593万円に激減。差額の2057万円は裏金の総額にキッチリ帳尻を合わせた格好だ。

■関連キーワード

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • トピックスのアクセスランキング

  1. 1
    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

    全国紙が全国紙でなくなる?「新聞販売店」倒産急増の背景…発行部数の激減、人手不足も一因に

  2. 2
    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

  3. 3
    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

    橋下徹氏&吉村知事もう破れかぶれ?万博の赤字に初言及「大阪市・府で負担」の言いたい放題

  4. 4
    杉田水脈議員が“裏金”で通っていたスナックのママを直撃!赤旗に宛名ナシ領収書スッパ抜かれた

    杉田水脈議員が“裏金”で通っていたスナックのママを直撃!赤旗に宛名ナシ領収書スッパ抜かれた

  5. 5
    麻生氏のトランプ会談に透ける下心丸出しな“片思い”…前大統領にいたっては親友シンゾーの死を忘れた?

    麻生氏のトランプ会談に透ける下心丸出しな“片思い”…前大統領にいたっては親友シンゾーの死を忘れた?

  1. 6
    岸田自民「政治資金規正法」改正案は“抜け穴”だらけのザル…専門家「悪質な論点ずらし」とバッサリ

    岸田自民「政治資金規正法」改正案は“抜け穴”だらけのザル…専門家「悪質な論点ずらし」とバッサリ

  2. 7
    岸田首相タジタジ…政治資金規正法改正で自民提案なし「同じ国会議員として恥ずかしい」公明議員が激オコ追及

    岸田首相タジタジ…政治資金規正法改正で自民提案なし「同じ国会議員として恥ずかしい」公明議員が激オコ追及

  3. 8
    自民裏金議員は収支報告書の「訂正」も悪質だった…NPOの詳細調査で判明した“タチ悪”議員の名前

    自民裏金議員は収支報告書の「訂正」も悪質だった…NPOの詳細調査で判明した“タチ悪”議員の名前

  4. 9
    大阪万博の“目玉”「空飛ぶクルマ」が「有人ドローン」に…吉村府知事がイメージ修正の姑息

    大阪万博の“目玉”「空飛ぶクルマ」が「有人ドローン」に…吉村府知事がイメージ修正の姑息

  5. 10
    円安&物価高止まらず弊害だらけ…日銀植田総裁の追加利上げ断行「非常に高い」発言に市場恐々

    円安&物価高止まらず弊害だらけ…日銀植田総裁の追加利上げ断行「非常に高い」発言に市場恐々

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1
    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

    悠仁さまは推薦入学で東大を目指すも…名門・筑波大付属高校が持つ「4人」の枠に入れるのか?

  2. 2
    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

    渡辺徹さんの死は美談ばかりではなかった…妻・郁恵さんを苦しめた「不倫と牛飲馬食」

  3. 3
    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

    「天皇になられる方。誰かが注意しないと…」の声も出る悠仁さまの近況

  4. 4
    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

    巨人の得点圏打率.186は12球団最低…チャンスに滅法弱く、立場が危うくなった打者3人の名前

  5. 5
    どちらが“将来の天皇”の注目度 愛子さまは園遊会で猫談義、悠仁さまは玉川大訪問が話題に

    どちらが“将来の天皇”の注目度 愛子さまは園遊会で猫談義、悠仁さまは玉川大訪問が話題に

  1. 6
    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

    「アンメット」の“三瓶先生”にハマる視聴者続出!杉咲花も惚れた若葉竜也「無愛想な魅力」の原点

  2. 7
    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

    阪神・岡田監督が密かに温めていた「藤浪獲得プラン」が消滅していた…

  3. 8
    阪神・大山悠輔「4年16億円」争奪戦勃発に現実味…評価を押し上げた「目に見える数字」以上の価値

    阪神・大山悠輔「4年16億円」争奪戦勃発に現実味…評価を押し上げた「目に見える数字」以上の価値

  4. 9
    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

    小池都知事の公約「築地は守る」どこへ? 食のテーマパーク機能を有する市場のはずが“多目的スタジアム”に巨人が移転?

  5. 10
    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽

    福山雅治は自宅に帰らず…吹石一恵と「6月離婚説」の真偽