「将棋から学んできたこと これからの道を歩く君へ」羽生善治著
15歳でプロ入りしてから、常に将棋界のトップランナーとして活躍してきた天才棋士が、これまでの歩みを振り返りながら、若い人たちに向けて語るメッセージ本。
小学校1年生のときに将棋と出合った氏は、翌年から地元の道場に通い始め、11歳でプロを目指し弟子入り。12歳で奨励会入会を果たす。
同じころ、江戸時代の古典的詰め将棋の問題集200題に挑戦を始め、すべてを解き終わったのは7年後だったという。1問を1カ月以上も考え続けることもざらだったそうだ。そうした若き日を語りながら、常識、将棋で言えば定跡が正しいとは限らず、むしろ斬新なアイデアは非常識から生まれるなど、真剣勝負で得た人生の指針を紹介する。(朝日新聞出版 620円+税)