著者のコラム一覧

保阪正康作家

１９３９年、北海道生まれ。同志社大卒。編集者を経て「死なう団事件」でデビュー。「昭和天皇」など著書多数。２００４年、一連の昭和史研究で菊池寛賞。本連載「日本史　縦横無尽」が『「裏切りの近現代史」で読み解く歴史が暗転するとき』（講談社）として好評発売中。

保阪正康日本史縦横無尽

長州閥の官軍的発想の模範としての東條英機

公開日：2024/05/02 17:00　更新日：2024/05/02 17:00

学徒出陣の壮行会で訓示する東條英機首相＝1943＝昭和18＝年10月21日、東京・神宮競技場（Ｃ）共同通信社

　陸海軍の藩閥勢力は、確かに昭和に入ると勢いを失っている。昭和6（1931）年9月の満州事変以降の首相を見たとき、陸海軍出身の首相は太平洋戦争終結時までに8人いるのだが、そのいずれも薩長出身でないことは前回に指摘した。しかし太平洋戦争は薩長の官軍的発想で始まり、終戦は反薩長の賊軍…

この記事は有料会員限定です。
日刊ゲンダイDIGITALに有料会員登録すると続きをお読みいただけます。

(残り1,102文字／全文1,243文字)

【連載】保阪正康日本史縦横無尽

前の記事東條英機が始め、鈴木貫太郎が終わらせた戦争 2024/05/01 17:00
次の記事長州閥、薩摩閥の発想、あるいは賊軍的発想とは 2024/05/07 17:00

この連載の一覧を見る

■関連記事