Snow ManはSMAP・嵐に続く国民的アイドルになれたのか? ヒット曲がイマイチでも“モンスター級”と言えるわけ

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コクハク

「SMAP、嵐と同列で語るには早い」は本当か?

 Snow Man初のスタジアムツアー『Snow Man 1st Stadium Live Snow World』の新国立競技場公演が、4月19日・20日に開催され、各日約7万人を動員した。STARTO ENTERTAINMENT(旧ジャニーズ事務所)所属アーティストによる同会場でのライブは、旧国立競技場時代を含めると、SMAP、嵐に続く3組目となる。

 Snow Manの同会場でのライブが発表された際には、国民的グループと言われたSMAP、嵐に続く快挙に、彼らのファンから祝福の声で溢れた。一方で、旧事務所時代のファンからは、SMAP、嵐と同列で語るにはまだ早いとも指摘された。デビュー5周年を迎えたSnow Manは、SMAP、嵐のような国民的アイドルに、どこまで迫っているのだろうか。

 まずは、CDシングルの「売上」と「ヒット曲」の観点から見ていきたい。「売上」はオリコン調べで、「ヒット曲」については筆者の体感ではあるが、ファン以外の一般層も含めた世間への浸透度を振り返える。

【こちらもどうぞ】旧ジャニ会見から1年半、STARTO社の再興成否…CD売上と人権意識から考察、ファンは一体何を望む?

誰もが口ずさめるSMAPと嵐のヒット曲

 SMAPは、「夜空ノムコウ」、「らいおんハート」、「世界に一つだけの花 」(シングル・ヴァージョン)というミリオンシングル3作が、「売上」と「ヒット曲」をはっきりと兼ねている。他にも、「がんばりましょう」、「青いイナズマ」、「SHAKE」など、売上が70万~80万枚台で、タイトルを聞いただけで口ずさめる人が多いであろう「ヒット曲」がいくつもある。

 次に嵐は、活動休止前ブーストのかかった「カイト」のみがミリオンを記録している。ただ、音楽番組での披露回数を考えても、売上90万枚台の「A・RA・SHI」、売上30万~70万枚台の「Love so sweet」、「Happiness」、「Monster」など、タイトルだけでは思い出せなくても、楽曲を聞けば知っている人が多いであろう「ヒット曲」が何曲もある。

 そんなSMAP、嵐でもCD売上10万枚台など苦戦した時期があるのに対し、Snow Manはデビューから5年、全シングルを「オリコン年間ランキング」の1位~5位以内にランクインさせてきた。ミリオンは「Imitation Rain/D.D.」(「SixTONES vs Snow Man」名義)、「Grandeur」、「LOVE TRIGGER/We'll go together」など5作あり、その他のシングルも70万枚台後半~90万枚台を記録している。

「局地的」になるのはYouTubeやSNSの影響が大きい

 CDシングルの「売上」という観点では、SMAP、嵐と比べても、Snow Manのこの5年の平均売上は極めて高い。

 ただ、ファン以外にまで浸透した「ヒット曲」となると、どの楽曲が該当するか難しいところだ。映画「おそ松さん」の主題歌「ブラザービート」あたりは、聞き覚えのある人も多いかもしれない。それ以外の楽曲は、「売上」に対し、世間への浸透度という点でアンバランスさも感じる。



 これは、SMAP、嵐が第一線を走った平成において、娯楽がテレビに一極集中していたのに対し、Snow Manがデビューした令和では、YouTubeやSNSなど人々の興味が多様化したことに原因があるだろう。お茶の間の皆が一つのテレビに向かって音楽番組を楽しんでいた頃は、“誰もが知るヒット曲”も生まれやすかった。

 だが現代では、一定の世代やファンの中での“局地的なヒット曲”になるケースが多い。

 サブスク音楽配信サービスも主流となり、CDが売れないこの令和に、Snow Manがミリオンを連発しているのは、安定したクオリティーの楽曲、メンバーの“わちゃわちゃ感”が楽しめる特典映像、ファンの高い献身性という要因が考えられる。特に、見返りがなくとも、彼らにミリオンを届けたいという想いだけで売上に貢献するSnow Manのファンダムは、とてつもなく強大だ。

強大なファンダムが支えるモンスター級のグループ

 デビュー曲から「SixTONES vs Snow Man」名義でSixTONESと競り合い、コロナ禍で拡大するK-POPブームと闘い、今も旧事務所創業者問題を機に露出を増やした他事務所ボーイズグループの上を行く。強大なファンダムに支えられ、Snow Manはモンスター級の「売上」を誇るグループになっている。

 冠番組という視点で見ると、SMAPや嵐は長年GP帯冠番組で親しまれたが、Snow Manは「それSnow Manにやらせて下さい」(TBS系)が、2023年よりゴールデン帯で放送されている。

 前述の通り、テレビの影響力はSMAP、嵐の時代より低下しているが、現代において重要とされるコア視聴率は驚異の5%台(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録するなど、若年層に刺さっている。過去になかった指標として、配信サービス・TVerのお気に入り登録数も、333万(4月22日執筆時点)を突破している。

 また、SMAP全盛期にYouTubeはなく、嵐は活動休止前年にようやくチャンネル開設に至ったが、Snow Manはデビュー前からYouTubeに注力してきた。チャンネル登録者は393万人を誇り、冠番組以外でも、メンバーの魅力をリアルタイムで発信できている。

 俳優業で成功を収めている目黒蓮(28)、パリコレにも進出しているラウール(21)、バラエティーで大活躍の向井康二(30)、宮舘涼太(32)、佐久間大介(32)など、個人個人の飛躍もまだまだ伸びしろがある。さらに、YouTube活動やサブスク解禁など、現代だからこそできる多様なリーチの仕方で、新規ファンも獲得し続けている。

 SMAP、嵐とは時代や環境が違いすぎるため、同列で語ることは難しいが、Snow Manは現代で考えられうる限り、最も国民的アイドルに近い存在なのではないだろうか。

(こじらぶ/ライター)

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