パパ大谷翔平に課せられる“未体験ゾーン”からの脱却…寝不足、長くしたバット、投手挑戦しながらDH
大谷翔平(30=ドジャース)が日本時間30日のマーリンズ戦で放った8試合ぶりの7号本塁打に日米のメディアは「パパ1号」と大騒ぎだ。
「1点取られた後、すぐに追い付けて良かった。(真美子夫人が)出産してから本塁打が出てなかったので、いい1本になった」
試合後の本人はこう言ったが、手放しでは喜べないのではないか。
米紙コラムニストのビリー・デービス氏は、この日の一発も含めて大谷の打撃は決して絶好調ではないとこう言う。
「きょうの本塁打もライナー性のもの。昨年までと比べて、明らかに打球が上がらないのです。最近はスイング自体もコンパクトで、二塁打や三塁打の長打にしても合わせにいった結果という印象。フルスイングしたときは、バットとボールの距離がかけ離れた空振りが多いですから」
■平均打球角度は30.1度から29.1度に
この日の7号本塁打の打球角度は23度。ここまで7本塁打の平均は29.1度。54本塁打の昨年が30.1度だったから、打球が上がらないのは数字が証明している。
勝負事に「たら」「れば」は禁句とはいえ、仮に打球が上がっていれば飛距離も伸び、本塁打もより増えていたのではないか。
本人も打球が上がらない、フルスイングしたときは当たる気がしないような空振りが多いと自覚しているからこそ、「合わせにいっている」に違いない。
大谷はいま、未体験ゾーンにいる。初めて親になったことについて、試合後の本人はこう言っている。
「予想より大きく生まれてきてくれたので安堵というか、健康な状態で生まれてくれて、それが何より。心地いい寝不足というか、幸せな寝不足」
この日も病院に寄ってから球場入り。しばらくは同様の日々が続くらしいが、大谷が日頃、何より重視しているのが睡眠だ。毎日10時間以上、寝るし、十分な睡眠を確保するためのスケジュールを何日も前から立てているほど。父親リスト明けで寝不足のまま遠征先のアーリントンに合流した21日のレンジャーズ戦からの3試合は12打数2安打と精彩を欠いた。本人にとっては心地よく、幸せな寝不足でも、ルーティンの変化は体調に影響しないのかどうか。