「鉞ばばあと孫娘貸金始末十両役者」千野隆司著

公開日: 更新日:

「鉞ばばあと孫娘貸金始末十両役者」千野隆司著

 お鈴は、10年前に火事で両親を失い、以来、祖母のお絹と2人暮らし。10歳からは金貸しを家業にするお絹の利息の取り立てにも行かされてきた。お絹は、磨き上げた鉞で客を脅すことから、鉞ばばあと呼ばれている。

 ある日、大部屋役者の團五郎がお絹に15両もの大金を借りに来た。出世の足掛かりとなる大役を得たが、衣装代25両のうち足りない分を借りたいというのだ。

 しかし、お絹は10両だけしか貸さない。それでもほかから工面して、ようやくそろえた25両を懐に衣装屋に向かう途中、團五郎は現れた男に金を奪われてしまう。お鈴は、男の行方を追うお絹の弟で岡っ引きの倉蔵に同行して聞き込みに歩く。

 強欲な祖母とおてんばの娘が事件を解決する痛快時代連作小説。

(集英社 660円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    岡山天音「ひらやすみ」ロス続出!もう1人の人気者《樹木希林さん最後の愛弟子》も大ブレーク

  2. 2

    帝釈天から始まる「TOKYOタクシー」は「男はつらいよ」ファンが歩んだ歴史をかみしめる作品

  3. 3

    西武にとってエース今井達也の放出は「厄介払い」の側面も…損得勘定的にも今オフが“売り時”だった

  4. 4

    高市政権の物価高対策はもう“手遅れ”…日銀「12月利上げ」でも円安・インフレ抑制は望み薄

  5. 5

    立川志らく、山里亮太、杉村太蔵が…テレビが高市首相をこぞってヨイショするイヤ~な時代

  1. 6

    (5)「名古屋-品川」開通は2040年代半ば…「大阪延伸」は今世紀絶望

  2. 7

    森七菜の出演作にハズレなし! 岡山天音「ひらやすみ」で《ダサめの美大生》好演&評価爆上がり

  3. 8

    小池都知事が定例会見で“都税収奪”にブチ切れた! 高市官邸とのバトル激化必至

  4. 9

    西武の生え抜き源田&外崎が崖っぷち…FA補強連発で「出番減少は避けられない」の見立て

  5. 10

    匂わせか、偶然か…Travis Japan松田元太と前田敦子の《お揃い》疑惑にファンがザワつく微妙なワケ