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永田宏前長浜バイオ大学コンピュータバイオサイエンス学科教授

筑波大理工学研究科修士課程修了。オリンパス光学工業、KDDI研究所、タケダライフサイエンスリサーチセンター客員研究員、鈴鹿医療科学大学医用工学部教授を歴任。オープンデータを利用して、医療介護政策の分析や、医療資源の分布等に関する研究、国民の消費動向からみた健康と疾病予防の解析などを行っている。「血液型 で分かるなりやすい病気なりにくい病気」など著書多数。

(5)血圧測定の新しい仕組みと問題点…血流による光吸収・反射で推測

公開日: 更新日:

 血圧が測れるスマートウオッチの登場が、世間の注目を集めています。ただし話題先行で、中身はあまり理解されていないようです。

 普通の血圧計は、上腕か手首にカフ(ゴム製の圧迫帯)を巻き、空気で膨らませて動脈に圧力をかけながら、脈波をもとに血圧値を計測します。

 ウオッチで期待を集めているのは、光を使った新しい測定方法(光電容積脈波法:PPG)です。ウオッチの底面から皮膚に向かってLEDライトを照射し、血流による光の吸収や反射の変化を検出して、AIや独自のアルゴリズムを使って血圧値を推測するのです。カフによる圧迫感や痛みがなく、しかも長時間、自動的かつ連続的に、血圧測定が可能になるといったメリットがあります。

 ただしPPGは、まだ完成された技術とは言えません。とくに皮膚の色や濃さ、皮膚や皮下脂肪の厚み、血管の太さなどによって測定結果が左右されるため、いまのところはカフ式ほどの精度が得られないのです。そのため、ウオッチのベルトにカフを組み込んで、血圧を測定するタイプのものが先行しています。

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