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新井平伊順天堂大学医学部名誉教授

1984年、順天堂大学大学院医学研究科修了。東京都精神医学総合研究所精神薬理部門主任研究員、順天堂大学医学部講師、順天堂大学大学院医学研究科精神・行動科学教授を経て、2019年からアルツクリニック東京院長。順天堂大学医学部名誉教授。アルツハイマー病の基礎と研究を中心とした老年精神医学が専門。日本老年精神医学会前理事長。1999年、当時日本で唯一の「若年性アルツハイマー病専門外来」を開設。2019年、世界に先駆けてアミロイドPET検査を含む「健脳ドック」を導入した。著書に「脳寿命を延ばす 認知症にならない18の方法」(文春新書)など。

気負わず入れる交流の輪…公園のラジオ体操への参加のススメ

公開日: 更新日:

 本欄の担当者は時々、朝6時に都内の某公園に行き、ランニングをしているそうなんですが、最初に驚いたのは、人の多さ。特に、推定60代半ば以降、70歳代、80歳代の方が多いとのこと。

 6時半くらいまでは数人で、あるいはお一人で、思い思いの体操をされている方が多い。6時半を過ぎると、付かず離れずの距離を置いてラジオ体操。体を大きく動かし、中には、自己流の動きを取り入れている方も。

 会話に耳を傾けると、この場で顔見知りになった方たちもいるようで、こういう場で人とのつながりをつくるのもいいな、と感じたそうです。

 他の公園でもやっていないかと思い、インターネットで「公園名(大きめの公園) ラジオ体操」で検索すると、いくつかヒットしたそうです。

 実際に様子を見に行ってみると、冒頭の公園と同様にさりげなく輪に入っていけそうなところもあったとのこと。

 人との触れ合いは認知症対策で重要なことのひとつですが、新しい人間関係を築くのはそう簡単なことではないですよね。しかしこういった公園のラジオ体操であれば、体を動かしているので無理に会話をする必要がありませんし、終われば挨拶だけしてそのまま帰ればいい。それでも何度か繰り返し参加すれば、顔見知りの人もできてくるでしょう。

 気負わず入れる交流の場って、探せば結構あると思うのです。ゴミ拾いのボランティアなどもそうではないでしょうか。今はインターネットがありますから、探しやすいですしね。定年後とは言わずに、早い段階からそういう場をいくつも持っていると、将来の社会的フレイル(友人や知人との交流機会が減り、社会とのつながりが希薄になること)を避けられると思います。

 固い絆の友人も重要ですが、年を取れば、広く浅くの知人も重要。嫌なことがあればささっと遠ざかれるくらいの人間関係です。そうやって知り合った人で、この人とは気が合うな、と思えば、少しずつ距離を縮めていけばいいのです。

 特に、あまり社交的でないと自覚している方は、現役世代で他人との接点がまだあるうちに、それ以外の人とのつながりをつくっておくことをお勧めします。

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