「フォマルハウトの三つの燭台<倭篇>」神林長平著

公開日: 更新日:

「フォマルハウトの三つの燭台<倭篇>」神林長平著

 朝、知能家電管理士の「ぼく」がパンを焼こうとすると、トースターのミウラが死んでいた。焼く機能はそのままだが、人工人格が反応しないのだ。今どきの家電はしゃべるのが当たり前で、いつもしゃべっている相手が反応しないのはちょっとした事件だ。

 ミウラの自殺を心配するぼくに、「ミウラを預かっている。返して欲しければあれを手放せ」というメッセージが届く。「あれ」に思い当たることがなく、大家の息子・林蔵に相談すると、前に仕事先でもらった燭台ではないかと思い当たる。そんな2人の前に角が生えたウサギのロボットが現れる。ジャカロップと名乗ったそのロボットは、フォマルハウトの使いだという。

 世界に3つあり、その全てをともした人は世界の真のありさまを感得することができると伝わる燭台をめぐるSF長編。

(講談社 1078円)

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    阪神・梅野がFA流出危機!チーム内外で波紋呼ぶ起用法…優勝M点灯も“蟻の一穴”になりかねないモチベーション低下

  2. 2

    梅野隆太郎は崖っぷち…阪神顧問・岡田彰布氏が指摘した「坂本誠志郎で捕手一本化」の裏側

  3. 3

    「高市早苗首相」誕生睨み復権狙い…旧安倍派幹部“オレがオレが”の露出増で主導権争いの醜悪

  4. 4

    巨人・戸郷翔征は「新妻」が不振の原因だった? FA加入の甲斐拓也と“別れて”から2連勝

  5. 5

    国民民主党「選挙違反疑惑」女性議員“首切り”カウントダウン…玉木代表ようやく「厳正処分」言及

  1. 6

    時効だから言うが…巨人は俺への「必ず1、2位で指名する」の“確約”を反故にした

  2. 7

    パナソニックHDが1万人削減へ…営業利益18%増4265億円の黒字でもリストラ急ぐ理由

  3. 8

    ドジャース大谷翔平が3年連続本塁打王と引き換えに更新しそうな「自己ワースト記録」

  4. 9

    デマと誹謗中傷で混乱続く兵庫県政…記者が斎藤元彦県知事に「職員、県議が萎縮」と異例の訴え

  5. 10

    阪神に「ポスティングで戦力外」の好循環…藤浪晋太郎&青柳晃洋が他球団流出も波風立たず