「フォマルハウトの三つの燭台<倭篇>」神林長平著

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「フォマルハウトの三つの燭台<倭篇>」神林長平著

 朝、知能家電管理士の「ぼく」がパンを焼こうとすると、トースターのミウラが死んでいた。焼く機能はそのままだが、人工人格が反応しないのだ。今どきの家電はしゃべるのが当たり前で、いつもしゃべっている相手が反応しないのはちょっとした事件だ。

 ミウラの自殺を心配するぼくに、「ミウラを預かっている。返して欲しければあれを手放せ」というメッセージが届く。「あれ」に思い当たることがなく、大家の息子・林蔵に相談すると、前に仕事先でもらった燭台ではないかと思い当たる。そんな2人の前に角が生えたウサギのロボットが現れる。ジャカロップと名乗ったそのロボットは、フォマルハウトの使いだという。

 世界に3つあり、その全てをともした人は世界の真のありさまを感得することができると伝わる燭台をめぐるSF長編。

(講談社 1078円)

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