「高島屋」の営業利益が過去最高を更新…百貨店衰退期に“独り勝ち”が続く背景
百貨店業界の衰退がうたわれて久しいが、「高島屋」は好調だ。2025年2月期における営業収益は前期比6.9%増の4985億円。旧会計基準の売り上げに相当する総額営業収益は1兆327億円と17年ぶりに1兆円台に乗った。営業利益は575億円、最終益は395億円と共に過去最高を更新した。売上高は21年2月期に7000億円を下回ったが、その後持ち直し、コロナ禍以前の水準を上回る。
店舗数は増えておらず、既存店の成績が伸びた。日本橋店の売り上げは20年2月期から25年2月期にかけて1308億円から1605億円に上昇。新宿店も同様に717億円から1000億円と増えている。大阪、京都店も同様で、百貨店衰退期になぜ伸びたのか。
「小田急、東急などの電鉄系百貨店や、そごう、丸井などの閉店が相次いだことで、百貨店の客層が高島屋に流れた。減収が続く百貨店は『ユニクロ』や家電量販店を入れて中間層を取り込んだが、ブランドイメージを低下させ、富裕層の客離れにつながった」(アパレル企画会社社長)
業界のパイが縮小する中、安売りしない高島屋に客が流れたということらしい。