「国家戦略特区」と「日本を取り戻す」の矛盾

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「日本を取り戻す」は、安倍首相が再登板の際に掲げた“基本路線”だ。どんな未来をイメージした言葉なのかは分からない。「美しい国」もそうだった。彼の発言からは目指す国家像が見えないのだ。集団的自衛権をめぐる動きを見ていると、単に戦前回帰を夢想しているだけなのかとも思えてくる。

 ただ、少なくとも、成長戦略の柱とされる「国家戦略特区」が日本にプラスにならないことは確かだ。むしろグチャグチャにして壊す恐れが強いだろう。日本はこれまで全国一律でいろんな権利を認めてきた。エコヒイキはなしだ。機会は公平に与えられる。その中で地域の特性に合った産品が生まれ、日本らしさが形成されていった。

 特区では、そんなやり方が否定される。日本で承認されていない薬も使えるようになるし、海外の免許しかない医師も医療行為ができるようになるそうだ。暮らしの基礎となる安心や安全のルールはがらりと変わる。長年の経験や知恵で積み重ねてきた日本ならではの基準は、意味をなさなくなるのだ。そこはもう日本とは呼べないだろう。

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