「北京で二刀流」森田六朗著
■剣道を通して触れた中国の若者の素顔
中国で日本語教師を務めながら、現地の若者にボランティアで剣道を教える著者のエッセー集。
03年、定年を目前にして日本語教師に転職した氏は、幼い頃から続けてきた剣道を現地でも続けたいと防具や竹刀を持参して北京に赴任。日本人会傘下の同好会に加わり汗を流していたが、やがて北京に中国人が主宰する剣道団体が2つもあることを知り、顔を出してみると、指導を頼まれ、稽古に通うようになった。中国の若者たちは、日本のアニメを見て剣道に興味を抱いたそうだ。10年を経て、今では中国人剣士は全土で5000人を超え、有段者も増えているという。仕事や剣道を通じて触れる中国の若者たちの素顔や、北京生活の実際を伝える。
(現代書館 1700円)