「認知症の薬をやめると認知症がよくなる人がいるって本当ですか?」長尾和宏氏

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 認知症治療薬の代名詞として知られ、発売から15年が過ぎたアリセプト。

 しかし、この薬の服用をやめるだけで、驚くほど症状がよくなるケースがあることをご存じだろうか。

「アリセプトは非常によい薬で、認知症治療薬としてけっして否定されるものではありません。問題は、その使用量です。アリセプトは脳内のアセチルコリンを増やす薬であり、認知機能の維持に効果を発揮する一方、人によっては歩行障害やパーキンソン症状が表れたり、暴力や暴言が起こることもあるんです」

 そのため、個々の患者の状態を見ながら、薬の量を調整することが不可欠であると長尾医師は言う。しかし、日本における認知症治療の実態はまったく違っている。

 現在、保険が適用される認知症治療薬にはアリセプトの他にレミニールやメマリー、イクセロンパッチなどがあるが、これらの薬には増量規定が定められているのだ。

「アリセプトなら開始量は3ミリグラムですが、2週間後には必ず5ミリグラムに増量することという決まりがあるんです。5ミリグラムに増やして患者さんの調子が悪くなれば、減量して様子を見るのは当たり前のこと。しかし、認知症治療薬は必ず増量しなければならない。こんなおかしな治療は他の病気ではありえません」

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