ドーナツ盤5000枚を愛蔵!構成作家チャッピー加藤氏が語る「アナログの魅力」
アナログのレコードの人気が再燃し、静かなブームである。中高年世代には懐かしいが、若い世代には新しく、おしゃれ、というのだ。昭和の歌謡曲などドーナツ盤5000枚を愛蔵する構成作家、チャッピー加藤氏(53)にその魅力を聞いた。
◇ ◇ ◇
――スマホでデジタル音源で音楽を聴くのが主流の今、なぜレコードなのでしょう。
「なんといっても、味わいのある音ですね。レコードのシステムは非常に単純で、溝に刻まれた凹凸で針が振動する動きを電気信号として取り出し、音に変えています。スピーカーなどオーディオ機器によっては重厚感、臨場感があり、歌であれば歌手の息づかいまで感じられ、肉声に近い形で聴くことができます。デジタルとは音の質感が違うというか、これはアナログならではの良さですね」
――収納にスペースをとるし、管理が大変では?
「効率優先の社会の流れでいえば、逆行するでしょう。でもCDやサブスクにはない、アナログの手触り、楽しみ、満たしを私は感じます。たとえばジャケット。ファッションだったり髪形だったり文化だったり……まさにレコードが出た『時代』が真空パックされています。それを見ているだけでいつでもタイムスリップし、大好きな世界に浸ることができる。ぜいたくな至福のひとときです」