米国で36年間未解決だった殺人犯を特定! DNA分析+家系図「遺伝子系図学」の驚くべき威力

公開日: 更新日:

 アメリカで36年間、未解決だった殺人事件の容疑者が、DNA分析と家系図の研究を組み合わせた「遺伝子系図学」によって特定され、話題になっている。

 1988年8月、ワシントン州サムナー近郊の川で、着衣をつけていない若い女性の遺体が釣り人によって発見された。

 ピアース郡保安官事務所の捜査で、身元は当時18歳だったトレーシー・ホイットニーさん(写真)と判明。暴行を受けた後、絞殺されていた。

 前日、元交際相手と口論した後、ファストフードの「バーガーキング」から出てきたのを目撃されたのを最後に、行方が分からなくなっていた。

 捜査当局は、遺体から犯人のものと思われるDNAを採取。元交際相手など関係者の事情聴取やポリグラフ検査を行ったが、容疑者を特定できず、事件は迷宮入りとなった。

 同保安官事務所は2005年、DNAサンプルをFBIの全国遺伝子データベースに登録し、捜査を再開したが、成果は得られなかったという。

 突破口が開けたのは2022年。同保安官事務所は、DNAサンプルをバージニア州のバイオテクノロジー企業「パラボン・ナノラボ」に送り、遺伝子系図学テストを実施した結果、ジョン・ギヨット・ジュニアという男が容疑者として特定された。しかし、逮捕はできなかった。ギヨットがその8カ月前に死亡していたからだ。

最新のライフ記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    安青錦は大関昇進も“課題”クリアできず…「手で受けるだけ」の立ち合いに厳しい指摘

  2. 2

    阿部巨人に大激震! 24歳の次世代正捕手候補がトレード直訴の波紋「若い時間がムダになっちゃう」と吐露

  3. 3

    マエケン楽天入り最有力…“本命”だった巨人はフラれて万々歳? OB投手も「獲得失敗がプラスになる」

  4. 4

    中日FA柳に続きマエケンにも逃げられ…苦境の巨人にまさかの菅野智之“出戻り復帰”が浮上

  5. 5

    今田美桜に襲い掛かった「3億円トラブル」報道で“CM女王”消滅…女優業へのダメージも避けられず

  1. 6

    高市政権の“軍拡シナリオ”に綻び…トランプ大統領との電話会談で露呈した「米国の本音」

  2. 7

    エジプト考古学者・吉村作治さんは5年間の車椅子生活を経て…80歳の現在も情熱を失わず

  3. 8

    日中対立激化招いた高市外交に漂う“食傷ムード”…海外の有力メディアから懸念や皮肉が続々と

  4. 9

    安青錦の大関昇進めぐり「賛成」「反対」真っ二つ…苦手の横綱・大の里に善戦したと思いきや

  5. 10

    石破前首相も参戦で「おこめ券」批判拡大…届くのは春以降、米価下落ならありがたみゼロ