「不愉快犯」木内一裕著
三鷹署の新米刑事・兼子は先輩の佐藤と、人気ミステリー作家・成宮の妻・瑠璃子が失踪した事件を捜査。
事件は、配達人が家の異変に気づいて通報して発覚した。3日前から仕事場代わりのホテルに滞在していた成宮は、兼子らに教えられるまで妻の失踪には気づいていない様子だった。成宮によると、妻との仲は冷えており、瑠璃子は浮気をしていたという。やがて現場から強姦殺人の前科がある菅野の指紋が検出される。成宮に確認すると、以前、取材で菅野に会ったことがあるという。成宮が菅野に瑠璃子の殺害を依頼したのではないかと疑う兼子だが、捜査は進めば進むほどあらぬ方向へ。
「完全犯罪」を試みた遺体なき殺人事件を描くエンターテインメント。
(講談社 720円+税)