経済学が不得意な人の絶好のガイドブック

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 刺激的なタイトルの本だが、言っていること自体は正しいと思う。経済学者はすぐにむずかしい専門用語や数式を使ってけむに巻くが、それは自分を科学者のように権威づけるためだ。そのため経済学者は、自らの科学である分析ツールを経済以外の森羅万象に適用しようとする。しかし、それは経済学でも何でもない。経済学は、経済そのものを分析対象にすべき、というのが著者の主張だ。

 著者が本書でやっているのは、特定の経済理論にとらわれるのではなく、生産、所得、金融、労働、貿易などの経済事象を丁寧に解説することだ。そこには余計な方程式だとか数学の類いは一切登場しない。世界で本当に何が起きているのかを淡々と描き続けているのだ。

 正直に言うと、この本に書かれていることの大部分を私は知っていた。だから、新しい発見というのはほとんどなかった。その意味で経済の常識を読んでいるだけという感想を持ったのだが、冷静に考えてみると、私のように経済をなりわいにしている者にとっては常識でも、普通の市民にとってはまったく常識になっていない。すごく単純なことなのに、偉そうな経済学者が市民の理解を妨げてきたからだ。だから、この本のように常識を丁寧に書くということには重要な意味があるのだ。

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