尹錫悦大統領を「国政に関与させない」のに「弾劾」には反対…韓国与党の次を見据えた“思惑”

公開日: 更新日:

 唐突な「戒厳令」宣言と解除で大混乱の韓国尹錫悦大統領をめぐる弾劾訴追案は、7日の韓国国会で採決されたものの、不成立だった。与党「国民の力」の議員の大半が議場から退席し、採決をボイコットしたからだ。

 ところが、その与党「国民の力」は8日、韓東勲代表が尹大統領について、「正常な国政運営ができないため退くべきだというのが国民の大多数の判断だ」と早期退陣を求め、辞任までの間、「外交を含む国政に関与させない」とした国民向け談話を発表。韓悳洙首相も並んで会見し、今後は与党と首相が政権運営を担う考えを示した。

 一時、弾劾訴追案に賛成する意向を示していた与党・韓代表は、採決直前に尹大統領が「任期を含め党に一任する」と任期短縮を示唆したことを受け、訴追案反対に転じた。だが、その一方で、「大統領の職務停止」という弾劾と同じことをやるというのだから訳がわからない。

「野党に政権が渡ったら、韓代表も韓首相も立場が危うくなるため、絶対に阻止したいのです。しかし、彼らが国政運営を担うのはおかしい。国民が尹大統領に与えた権限を委譲したりできるのか。韓代表は国会議員でもなく、国民に選ばれてもいない。一介の政党代表に過ぎません。そして、韓首相は尹大統領が戒厳令を決めた国務会議(内閣)のトップです。この2人による臨時態勢ではとても持ちません」(コリア・レポート編集長・辺真一氏)

■関連キーワード

最新の政治・社会記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • 政治のアクセスランキング

  1. 1

    自維連立に透ける実現不能の“空手形”…維新が「絶対条件」と拘る議員定数削減にもウラがある

  2. 2

    自維連立が秒読みで「橋下徹大臣」爆誕説が急浮上…維新は閣内協力でも深刻人材難

  3. 3

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  4. 4

    高市新政権“激ヤバ議員”登用のワケ…閣僚起用報道の片山さつき氏&松島みどり氏は疑惑で大炎上の過去

  5. 5

    国民民主党・玉木代表「維新連立入り」観測に焦りまくり…“男の嫉妬”が見苦しすぎる

  1. 6

    「連合」が自民との連立は認めず…国民民主党・玉木代表に残された「次の一手」

  2. 7

    維新の「議員定数1割削減」に潜む欺瞞…連立入りの絶対条件は“焼け太り”狙った露骨な党利党略

  3. 8

    打算だらけの自維連立…維新が突きつけた「企業・団体献金禁止」はやはりウヤムヤ? 怪しい本気度

  4. 9

    国民民主から維新に乗り換えた高市自民が「政治の安定」を掲げて「数合わせヤドカリ連立」を急ぐワケ

  5. 10

    公明票消失で自民衆院「東京選挙区」が全滅危機…「萩生田だけは勘弁ならねぇ」の遺恨消えず

もっと見る

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    山崎まさよし、新しい学校のリーダーズ…“公演ドタキャン”が続く背景に「世間の目」の変化

  2. 2

    ドラフト目玉投手・石垣元気はメジャーから好条件オファー届かず…第1希望は「日本ハム経由で米挑戦」

  3. 3

    高市自維政権で進む病人・弱者切り捨て…医療費削減ありき「病床11万床潰し」すでに3党合意の非情

  4. 4

    創価学会OB長井秀和氏が語る公明党 「政権離脱」のウラと学会芸能人チーム「芸術部」の今後

  5. 5

    「えげつないことも平気で…」“悪の帝国”ドジャースの驚愕すべき強さの秘密

  1. 6

    ソフトバンクに激震!メジャー再挑戦狙うFA有原航平を「巨人が獲得に乗り出す」の怪情報

  2. 7

    山崎まさよし公演ドタキャンで猛批判 それでもまだ“沢田研二の域”には達していない

  3. 8

    阿部巨人V逸の責任を取るのは二岡ヘッドだけか…杉内投手チーフコーチの手腕にも疑問の声

  4. 9

    米価暴落の兆し…すでに「コメ余り」シフトで今度こそ生産者にトドメ

  5. 10

    まだ無名の「アマNo.1サウスポー」評価爆上がり!23日ドラフト「外れ1位」なら大争奪戦も…