これは命懸けの異議申し立てだ

公開日: 更新日:

「琉球独立宣言」松島泰勝著

 沖縄の現状を分析した秀逸な作品だ。米海兵隊普天間飛行場の移設に伴う辺野古新基地建設をめぐって、沖縄県の翁長雄志知事は、辺野古沿岸埋め立てに関する仲井真弘多前知事の承認に瑕疵があったので、取り消そうとしている。安倍政権は、沖縄の民意を無視して埋め立てを強行するつもりだ。このままでは流血の事態に発展する可能性も排除されない。

 龍谷大学の松島泰勝教授は、本書で沖縄(琉球)の論理をわかりやすくこう説明している。

〈琉球人がみずからを独自な歴史的主体として自覚する手段が、琉球人アイデンティティです。「復帰」後の歴史のなかで、2014年の沖縄県知事選挙ほど「アイデンティティ」が強調されたことはありません。これは琉球の長い差別と支配の歴史を踏まえて、琉球の現在と将来を考える琉球人が集団として台頭してきていることを意味します。/これまで日本人としてみずからを考えていた琉球人が、自分とは何者なのか、日本人なのか、琉球人なのかを真剣に問うようになりました。学校やマスコミを通じて琉球人は日本人であると教えられ、「復帰」運動でも、日本が琉球の母国と信じてきました。しかし同胞であるはずの日本人が、琉球人の集団としての苦しみを自分の問題として考えていないことを、もはや否定できなくなったのです。〉

最新のBOOKS記事

日刊ゲンダイDIGITALを読もう!

  • アクセスランキング

  • 週間

  1. 1

    2度目の離婚に踏み切った吉川ひなの壮絶半生…最初の夫IZAMとは"ままごと婚"と揶揄され「宗教2世」も告白

  2. 2

    巨人桑田二軍監督の“排除”に「原前監督が動いた説」浮上…事実上のクビは必然だった

  3. 3

    嶋基宏は一時期ノイローゼ状態になっていた...心ここにあらずで、魂が抜けた状態に

  4. 4

    伊藤健太郎とキンプリ永瀬廉で明暗クッキリ…「熱愛報道」出口夏希の足を引っ張りかねない“イメージ格差”

  5. 5

    なぜ「愛子天皇」ではダメなのか? 美智子さまが心情を吐露する出版物を準備中…と政界で話題

  1. 6

    嵐が去る前に思い出す…あの頃の「松本潤」と「大野智」

  2. 7

    視聴率の取れない枠にハマった和久田麻由子アナの不運 与えられているのは「誰でもできる役割」のみ

  3. 8

    不慮の事故で四肢が完全麻痺…BARBEE BOYSのKONTAが日刊ゲンダイに語っていた歌、家族、うつ病との闘病

  4. 9

    居酒屋倒産が過去最多ペース 客離れの背景にある「飲み放題5000円」の壁

  5. 10

    巨人“育成の星”のアクシデントに阿部監督は顔面硬直、原辰徳氏は絶句…桑田真澄氏の懸念が現実に