<第8回>チャンスで凡退すると誠也は殺気立った目をしてる
鈴木誠也(22)が一軍で出始めて間もない14年のことです。
当時、私は一軍投手コーチで、ベンチではプロ2年目の誠也がいつも隣に座っていました。ある日の試合前、下を向いたときにふと誠也のスパイクが目に入りました。これから試合が始まるというのに泥で汚れたままだったので、「誠也、きちんとスパイクを磨かないとダメだぞ。一軍の選手というのは身だしなみも含めて、いろんな人に見られているんだからな」と、注意したのです。
誠也はすぐに布で泥を拭きとりました。その日以降、試合前に誠也のスパイクをチェックし、「今日はピカピカだな」などと会話を交わすのが日課のようになりました。今も球場に行くと、「スパイクは奇麗にしているか?」と声をかけ、誠也が「してますよ」と、私にスパイクを見せるのが挨拶代わりになっています。
これは本人から聞いた話ですが、今年のソフトバンクとの交流戦で、こんなことがあったそうです。
試合前練習のとき、誠也のもとにやってきた内川聖一選手から、「ズボンの裾が切れてだらしないぞ」と指摘されたそうです。誠也は今年1月、以前から内川選手と親交がある先輩の小窪哲也に頼み込み、彼らとの自主トレに参加していました。私はこの話を聞き、「さすがは内川」と得心したものです。


















