「お墓の場所を教えてください」星野仙一の“筋の通し方”に驚嘆した
私がこうたずねても、オーナーは「大丈夫や。必ず来てくれる」と自信たっぷりでした。
そして12月12日、私は星野監督との1回目の交渉の席に、久万オーナーらとともに同行しました。場所は名古屋市内のウェスティンナゴヤキャッスル。そこでようやく、オーナーの自信のほどがわかりました。オーナーと星野監督が話を終えた後の良い雰囲気を見ていると、「野村退任」を見据えてすでに下交渉を済ませていたのでしょう。
私は、正直言うと「闘将」と呼ばれていた星野監督には激しい人というイメージを持っていました。しかし、交渉の席で初めて会った星野監督は物腰が柔らかい。「よろしくお願いします」と自ら挨拶してきたので、印象は一変しました。
星野監督は就任するとすぐさま、阪神OBへの挨拶回りを始めました。「藤村(富美男)さんと村山(実)さんのお墓参りがしたいので、お墓の場所を教えてください」と言われ、手配をしました。阪神OBでありその年からコーチに就任した田淵(幸一)や島野(育夫)を連れ立って、田宮(謙次郎)OB会長(当時)らほとんどのOBのもとへ足を運びました。


















