「ライムスター宇多丸の『ラップ史』入門」宇多丸、高橋芳朗、DJ YANATAKE、渡辺志保著
ジャズやロックンロールがいつ生まれたかを特定するのは難しいが、ヒップホップは誕生日も生まれた場所も特定できる。1973年8月11日、ニューヨークのウエストブロンクスの住宅で開かれたパーティーでのこと。ジャマイカ移民のクール・ハークがお金のない若者を踊らせようとして、レコードのドラムだけのドラムブレークのところで若者が熱狂することに気づいた。そこで、同じレコードを2枚用意して、ドラムブレークだけを交互にかけることを繰り返した。このブレークビーツに乗せて即興で言葉を乗せたのがヒップホップの原型である。
ヒップホップのプロ4人が、ヒップホップの歴史を紹介するラップファン必読の一冊。
(NHK出版 1600円+税)