「江戸の家計簿」磯田道史監修
江戸時代の人々の収入や物価から当時の暮らしを紹介する歴史読み物。
そもそも江戸幕府の財政収入はどのくらいだったのか。徳川将軍家の実際の天領は400万石ほど。吉宗の時代の最大463万石を現在の価格に換算すると、1兆3890億円になる。その他、遠山の金さんが3億円超え、50俵3人扶持の武士で約600万円ほどだったという。
一方、町人は大店の奉公人で年収120万円から支配役レベルで300万円、各職人の日当は1万~1万5000円だった。卵が1個315円など総じて動物性タンパク質は高価格で、初ガツオに至っては15万円を超える。
その他、髪結いは2400円、銭湯95円、長屋の家賃が月4875円など。江戸っ子たちの財布の中を覗き見る。(宝島社 800円+税)